ナレッジルーム

「遅延再生」で即時フィードバック

 

ドリル形式で行う技術トレーニングの効率化

野球、スキージャンプ、体操競技、陸上、ウェイトリフティング、バレーボール…団体、個人競技問わず、反復練習での技術トレーニングはパフォーマンス向上に欠かせないメニューの一つです。その反復練習を行う際に、動作をより細かく確認するため、トレーニングを撮影し、映像を使って後で動作チェックする場面も多いと思います。

 

動作チェックのための撮影を行う際、撮影スタッフがいれば、撮影をお願いし、試技後再生、それでチェックをすれば事足ります。個人練習などで他に誰もいない場合でも、自分で録画ボタンを押して試技をし、終わったら再生してチェックする…というような操作は可能です。しかし、試技を1回するごとにビデオスイッチを入れたり再生ボタンを押したり…となるととにかく面倒ですし、集中力を妨げ、効率もよくありません。そんな時に便利なのが、遅延再生です。

 

遅延再生とは、撮影している映像を指定の時間だけ遅らせて表示させること。あらかじめ遅延する時間を設定すれば、途中のボタン操作は一切なく、自分の動作確認が可能になります。さらに、即時に映像がフィードバックされることから、欠点を即座に見つけ出すことができるというのも大きなポイントだと思います。コーチからの言葉でのフィードバックを受け、さらに改善すべき点が即座に可視化できれば、より効率的にトレーニングを進めることができるのではないでしょうか。

遅延再生装置の導入と活用

JISSで練習している一部の競技団体も、『スーパースポレコ』という遅延再生装置をトレーニング施設に導入しています。そんな中から今回はシンクロプールにお邪魔しました。

DSC03860

JISSにあるシンクロプール

今回紹介する遅延再生に使用するビデオカメラとモニター。

DSC03814

遅延再生で使用しているビデオカメラとモニター

すぐに動作確認できるよう、プールサイドに大きなモニターが設置してあります。遅延再生を可能にするシステムの「スーパースポレコ」、通称「スポレコ」は、下の写真の右上に写っている機械です。

DSC03808

遅延再生を制御する「スーパースポレコ」は、右上に写っている機械です。

スポレコの最大遅延時間は68秒。この範囲内で遅延の時間をあらかじめ設定しスイッチを入れれば、設定した時間だけ遅れてモニターに表示されるので、試技〜チェック〜試技…の繰り返しが一人でも可能。この遅延再生装置を実際に使ってみました。

 

 

まず、10秒後に遅延再生されるようスポレコを設定し、ビデオカメラの前で、バレーレッグ動作を行います。

バレーレッグとは、シンクロ技の基本中の基本で、上向き水平姿勢のまま片足を垂直にまっすぐ伸ばす動作です。

DSC03834

バレーレッグを練習します。

この時点では、自分の足がまっすぐあがっているのかわりません。

 

動作終了後、モニターの見やすいプールサイドに移動。動作終了から10秒後にモニターに表示されるので、プールサイドについたとほぼ同時に、先ほど行ったバレーレッグ動作がモニターに映し出され自分の足がどうなっているか確認することができます。

DSC03836

遅延再生映像を確認している様子

ボタン操作は必要ありません。この遅延再生により、次の試技では自分の弱点を意識した動作を行うことができます。

 

実用方法として、例えば、この選手が映像を見ている間に次の選手がビデオカメラのまえで動作を行い、その選手が映像を見ている間に、そのまた次の選手が動作を行い映像を見る……というように利用すれば1台のカメラでも効率のよい映像確認が可能になります。

身近で揃える遅延再生装置

この『スーパースポレコ』は、残念ながら一般向けには販売されていませんが、「遅延再生」を実現するのであれば、DVD/HDDレコーダーの追っかけ再生(タイムシフトモード)で代用することができます。ビデオカメラの映像をレコーダーに録画し、追っかけ再生(タイムシフトモード)で再生。そうすれば、同じような環境を構築することが可能です。また、最近ではモバイルアプリなども多くリリースされています。

 

こちらはその中の2つ。
Live Video Delay (https://itunes.apple.com/jp/app/live-video-delay/id525582638?mt=8)

Bam Video Delay (https://itunes.apple.com/jp/app/bam-video-delay/id517673842?mt=8)

 

Live Video Delayは10分までの遅延再生が可能。保存もでき、コマ再生やスロー再生もできるので、後で細かくチェックすることもできます。

Bam Video Delayの方は2分までの遅延再生が可能。こちらの特徴は4画面で時差のある複数再生が可能なので、例えば、時間差で4回同じ試技を見ることで、よりじっくりと動作確認をすることができます。

 

このアプリをインストールしたタブレットと三脚などがあれば、大きな撮影機材がないトレーニング施設や屋外など、とにかく場所を選ばず遅延再生が可能となります。先にも述べた通り、遅延して再生→チェックするというトレーニングは1台のカメラがあればアスリート1人でも実行可能です。

しかし水泳競技ならば濡れた手を拭いたり、スキー競技ならばグローブを外したり……といったように、操作の前に一手間入るだけで、かなりのタイムロスになりますし、そのひと手間で集中力が途切れてしまうということも大いに考えられます。今回ご紹介のアプリは有料のものですが、遅延再生を導入することは、そのような煩わしさから解放してくれるという点でも大きなメリットの一つではないでしょうか。

遅延再生の活用が果たす役割

実はJISS内にある競技団体のトレーニング施設では、かなりの割合でこの遅延再生のシステムを取り入れ技術トレーニング時に活用しています。そのことからもこのシステムがトレーニングに役立っているということがうかがえるというもの。

 

1回1回自分の動作確認をすることは、欠点の修正のみならず、良いパフォーマンスができた時はそのイメージを焼き付けることができます。そういったイメージを蓄積させていくことは、アスリートに大切なトレーニングのひとつである「イメージトレーニング」の補強にも繋がっていくと思います。

 

それらを踏まえ、途中操作に手間をかけずに動作確認を可能にする遅延再生システムを導入し、活用していくことは、競技力向上に大きく貢献してくれるのではないでしょうか。

2画面表示 DiTs iPad JEATEC Kinovea LongoMatch NAS SDカード アプリ ウエイトリフティング キノビア キャリブレーション クラウドストレージ ゲーム分析 スタッツ ストレージ スピードスケート スマートデバイス セミナー タグ付け トラッキング トレーニング ビデオカメラ フィードバック モバイルWi-Fiストレージ ロンゴマッチ ワークショップ 保存 保管 分析 分析ソフト 動作分析 動画分析 即時フィードバック 描画 撮影 映像 映像共有 最新機種 残像合成 自動再生 角度 軌跡 軌跡座標 遅延再生

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「遅延再生」で即時フィードバック

 

ドリル形式で行う技術トレーニングの効率化

野球、スキージャンプ、体操競技、陸上、ウェイトリフティング、バレーボール…団体、個人競技問わず、反復練習での技術トレーニングはパフォーマンス向上に欠かせないメニューの一つです。その反復練習を行う際に、動作をより細かく確認するため、トレーニングを撮影し、映像を使って後で動作チェックする場面も多いと思います。

 

動作チェックのための撮影を行う際、撮影スタッフがいれば、撮影をお願いし、試技後再生、それでチェックをすれば事足ります。個人練習などで他に誰もいない場合でも、自分で録画ボタンを押して試技をし、終わったら再生してチェックする…というような操作は可能です。しかし、試技を1回するごとにビデオスイッチを入れたり再生ボタンを押したり…となるととにかく面倒ですし、集中力を妨げ、効率もよくありません。そんな時に便利なのが、遅延再生です。

 

遅延再生とは、撮影している映像を指定の時間だけ遅らせて表示させること。あらかじめ遅延する時間を設定すれば、途中のボタン操作は一切なく、自分の動作確認が可能になります。さらに、即時に映像がフィードバックされることから、欠点を即座に見つけ出すことができるというのも大きなポイントだと思います。コーチからの言葉でのフィードバックを受け、さらに改善すべき点が即座に可視化できれば、より効率的にトレーニングを進めることができるのではないでしょうか。

遅延再生装置の導入と活用

JISSで練習している一部の競技団体も、『スーパースポレコ』という遅延再生装置をトレーニング施設に導入しています。そんな中から今回はシンクロプールにお邪魔しました。

DSC03860

JISSにあるシンクロプール

今回紹介する遅延再生に使用するビデオカメラとモニター。

DSC03814

遅延再生で使用しているビデオカメラとモニター

すぐに動作確認できるよう、プールサイドに大きなモニターが設置してあります。遅延再生を可能にするシステムの「スーパースポレコ」、通称「スポレコ」は、下の写真の右上に写っている機械です。

DSC03808

遅延再生を制御する「スーパースポレコ」は、右上に写っている機械です。

スポレコの最大遅延時間は68秒。この範囲内で遅延の時間をあらかじめ設定しスイッチを入れれば、設定した時間だけ遅れてモニターに表示されるので、試技〜チェック〜試技…の繰り返しが一人でも可能。この遅延再生装置を実際に使ってみました。

 

 

まず、10秒後に遅延再生されるようスポレコを設定し、ビデオカメラの前で、バレーレッグ動作を行います。

バレーレッグとは、シンクロ技の基本中の基本で、上向き水平姿勢のまま片足を垂直にまっすぐ伸ばす動作です。

DSC03834

バレーレッグを練習します。

この時点では、自分の足がまっすぐあがっているのかわりません。

 

動作終了後、モニターの見やすいプールサイドに移動。動作終了から10秒後にモニターに表示されるので、プールサイドについたとほぼ同時に、先ほど行ったバレーレッグ動作がモニターに映し出され自分の足がどうなっているか確認することができます。

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遅延再生映像を確認している様子

ボタン操作は必要ありません。この遅延再生により、次の試技では自分の弱点を意識した動作を行うことができます。

 

実用方法として、例えば、この選手が映像を見ている間に次の選手がビデオカメラのまえで動作を行い、その選手が映像を見ている間に、そのまた次の選手が動作を行い映像を見る……というように利用すれば1台のカメラでも効率のよい映像確認が可能になります。

身近で揃える遅延再生装置

この『スーパースポレコ』は、残念ながら一般向けには販売されていませんが、「遅延再生」を実現するのであれば、DVD/HDDレコーダーの追っかけ再生(タイムシフトモード)で代用することができます。ビデオカメラの映像をレコーダーに録画し、追っかけ再生(タイムシフトモード)で再生。そうすれば、同じような環境を構築することが可能です。また、最近ではモバイルアプリなども多くリリースされています。

 

こちらはその中の2つ。
Live Video Delay (https://itunes.apple.com/jp/app/live-video-delay/id525582638?mt=8)

Bam Video Delay (https://itunes.apple.com/jp/app/bam-video-delay/id517673842?mt=8)

 

Live Video Delayは10分までの遅延再生が可能。保存もでき、コマ再生やスロー再生もできるので、後で細かくチェックすることもできます。

Bam Video Delayの方は2分までの遅延再生が可能。こちらの特徴は4画面で時差のある複数再生が可能なので、例えば、時間差で4回同じ試技を見ることで、よりじっくりと動作確認をすることができます。

 

このアプリをインストールしたタブレットと三脚などがあれば、大きな撮影機材がないトレーニング施設や屋外など、とにかく場所を選ばず遅延再生が可能となります。先にも述べた通り、遅延して再生→チェックするというトレーニングは1台のカメラがあればアスリート1人でも実行可能です。

しかし水泳競技ならば濡れた手を拭いたり、スキー競技ならばグローブを外したり……といったように、操作の前に一手間入るだけで、かなりのタイムロスになりますし、そのひと手間で集中力が途切れてしまうということも大いに考えられます。今回ご紹介のアプリは有料のものですが、遅延再生を導入することは、そのような煩わしさから解放してくれるという点でも大きなメリットの一つではないでしょうか。

遅延再生の活用が果たす役割

実はJISS内にある競技団体のトレーニング施設では、かなりの割合でこの遅延再生のシステムを取り入れ技術トレーニング時に活用しています。そのことからもこのシステムがトレーニングに役立っているということがうかがえるというもの。

 

1回1回自分の動作確認をすることは、欠点の修正のみならず、良いパフォーマンスができた時はそのイメージを焼き付けることができます。そういったイメージを蓄積させていくことは、アスリートに大切なトレーニングのひとつである「イメージトレーニング」の補強にも繋がっていくと思います。

 

それらを踏まえ、途中操作に手間をかけずに動作確認を可能にする遅延再生システムを導入し、活用していくことは、競技力向上に大きく貢献してくれるのではないでしょうか。

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