ナレッジルーム

ウエイトリフティングで利用されているフィードバックシステム

 

前回の記事でシンクロのトレーニングで利用されているスーパースポレコのご紹介をいたしましたが、お読みいただけましたか。映像でのフィードバックがトレーニング現場でどのように活用されているかということは、前回の記事でご紹介した通りです。

今回は、同じように映像での即時フィードバックを行っているウエイトリフティングのトレーニング現場を取材してきました。伺った「味の素ナショナルトレーニングセンター」通称「NTC」のトレーニング場にも、スーパースポレコは導入されています。
それに加えウエイトリフティングでは、現場の声から生まれた、独自開発のフィードバックシステムも利用しています。
今回の取材で、そのフィードバックシステムの使用感や現場における映像の役割などのお話しを実際に撮影を行っているコーチに、直接伺うことができました。

そこで今回は記事を前編と後編の2つに分け、前編では独自開発のフィードバックシステムについて、後編では撮影した映像が現場でどのように利用されているかをご紹介したいと思います。
ぜひ併せてお読みください。

トレーニング現場の声が生んだフィードバックシステム

前述した通り、ウエイトリフティングのトレーニング場にもスーパースポレコは導入されています。しかし、複数の選手がリフティング練習を行うプラットホームでそれぞれ試技を行っている場合、固定カメラ利用のスポレコでは撮影をカバーしきれない選手も出てきます。

そこでウエイトリフティングでは早くからiPadでの撮影、フィードバックを行っていました。iPadでの撮影は以下のメリットがあげられます。

・操作が非常に簡単で手軽
・場所を変えたり角度変えたりフレキシブルに撮影ができる
・アプリをインストールすることによって、撮影機能を拡張できる

しかし、撮影するデバイスとその映像を見せるデバイスが同じだと、映像を再生している間は撮影ができず、撮影している間は映像を見ることができないというデメリットが常につきまといます。もしiPadが1台しかなければ、その1台で複数の選手相手に撮影とフィードバックを両方行わなければならず、実際のところあまり効率がよくありません。そこで『iPad撮影のフレキシビリティはそのままに、撮る見るを分け、さらに効率よく即時フィードバックを行いたい』という要望があがってきました。
そんな要望に応えるかたちで開発されたのが、VLCフィードバックシステムです。

VLCフィードバックシステムとは?

VLCフィードバックシステムは、JISSで開発したVLCツールというソフトを基軸に実装されています。このVLCツールは、もともと、VLCメディアプレイヤーという自動再生ソフト(無料)に新たな機能を加えたものになります。まずはここで、このフィードバックシステムの利用法をご紹介します。

このシステムで使用しているITツールは下記3点です。

・BitTorrent Sync※(ビットトレントシンク)というファイル同期ソフトがインストールされたiPad
・VLCツールがインストールされたパソコン
・ネットワーク環境(アクセスポイント)

※BitTorrent Sync:インターネットで配布されているファイル同期ソフトです。詳しくはこちらのリンク先をごらんください。

このシステムを利用して撮影された映像は、トレーニング場備え付けの大きなモニターで自動再生されます。撮影者はまずiPadで選手の試技を撮影します。撮影が終わったら上記にあるBitTorrent Syncを起動し、今撮影した動画の同期を行います。これはどこへ同期するか事前に設定しておけば、1度のタップで済んでしまう作業です。ここではVLCツールがインストールされたパソコンへ動画を送ります。アクセスポイントを経て送られてきた動画を、VLCツールが検知すると、そのパソコンに繋がれたモニターで自動再生が始まります。

senga

VLCフィードバックシステムの仕組み

このように、VLCフィードバックシステムにより、フレキシビリティに優れたiPadで撮影撮影したデバイスとは別のモニターで再生ということが可能となり、撮る見るがしっかりと分離された形になりました。さらに、VLCツールには、再生を自動で繰り返す自動繰り返し機能が追加されているので、モニターでは、次の動画が検知されるまで何度も同じ動画が繰り返し再生され続けます。

『自動繰り返し機能』の利便性

実はこの、自動繰り返し機能が、 VLCフィードバックシステムの大きなポイントの一つとなっています。
VLCツールのもとであるVLCメディアプレイヤーは、自動再生ソフトと言われている通り、動画ファイルを検知すると自動で再生を始めるソフトなのですが、1回の再生がおわるとそれで終了。再度再生するには手動での操作が必要となります。しかしVLCツールでは、次の動画を検知するまで、自動で繰り返し再生を行います。繰り返し再生されれば、もし、監督が再生中のフィードバック映像を見ながら選手にアドバイスや指導などを行った場合、選手は、指導と映像を照らし合わせながら、指摘ポイントなどをよりクリアに頭に叩き込むことができるでしょう。また、次の選手の撮影がすでに終了している場合でも、同期を待機することで今見ている映像が繰り返し再生されるので、撮影者であるコーチの裁量で再生回数をコントロールすることが可能となります。

VLCフィードバックシステムを利用したトレーニング風景

では実際に利用している風景を写真と共にご紹介します。
選手の試技をコーチがiPadで撮影します。

DSC04252

iPadで試技を撮影

試技が1回終わると、コーチはiPadにインストールされたBitTorrent Syncを立ち上げます。
今撮影した映像のデータがパソコンに同期されます。

DSC04259

VLCツールがインストールされたノートパソコン。 再生用モニターとつながっています。

VLCツールは、新しい映像ファイルを検知すると、つながれたモニターでその映像の再生を始めます。
今試技を行った選手は、その映像を見て自ら動作確認を行います。

モニターで試技の動作確認をします

このVLCフィードバックシステムでは、途中動画を止めたり、スロー再生することも可能です。この機能は、より詳細に動作確認したいときや、巡回しているコーチに見てもらいたいときなど、非常に役立ちます。
さらに、同期した映像は本体にどんどんたまるので、練習終了後に再度見直すということも可能。前回ご紹介したスポレコは映像をためることができないので、この部分もVLCフィードバックシステムの大きなポイントといえるでしょう。

このように、非常に手軽に、即時フィードバックを可能にするVLCフィードバックシステム。
もちろん競技力の向上をサポートする目的で導入されたシステムですが、映像を利用することで具体的にどんな効果をあげているのでしょうか?実際に現場で活用しているコーチの方にじっくりとお話しを伺ってきました。後編にてその内容を詳しくご紹介いたします。

★後編は2016年1月8日公開予定です。お楽しみに!

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ウエイトリフティングで利用されているフィードバックシステム

 

前回の記事でシンクロのトレーニングで利用されているスーパースポレコのご紹介をいたしましたが、お読みいただけましたか。映像でのフィードバックがトレーニング現場でどのように活用されているかということは、前回の記事でご紹介した通りです。

今回は、同じように映像での即時フィードバックを行っているウエイトリフティングのトレーニング現場を取材してきました。伺った「味の素ナショナルトレーニングセンター」通称「NTC」のトレーニング場にも、スーパースポレコは導入されています。
それに加えウエイトリフティングでは、現場の声から生まれた、独自開発のフィードバックシステムも利用しています。
今回の取材で、そのフィードバックシステムの使用感や現場における映像の役割などのお話しを実際に撮影を行っているコーチに、直接伺うことができました。

そこで今回は記事を前編と後編の2つに分け、前編では独自開発のフィードバックシステムについて、後編では撮影した映像が現場でどのように利用されているかをご紹介したいと思います。
ぜひ併せてお読みください。

トレーニング現場の声が生んだフィードバックシステム

前述した通り、ウエイトリフティングのトレーニング場にもスーパースポレコは導入されています。しかし、複数の選手がリフティング練習を行うプラットホームでそれぞれ試技を行っている場合、固定カメラ利用のスポレコでは撮影をカバーしきれない選手も出てきます。

そこでウエイトリフティングでは早くからiPadでの撮影、フィードバックを行っていました。iPadでの撮影は以下のメリットがあげられます。

・操作が非常に簡単で手軽
・場所を変えたり角度変えたりフレキシブルに撮影ができる
・アプリをインストールすることによって、撮影機能を拡張できる

しかし、撮影するデバイスとその映像を見せるデバイスが同じだと、映像を再生している間は撮影ができず、撮影している間は映像を見ることができないというデメリットが常につきまといます。もしiPadが1台しかなければ、その1台で複数の選手相手に撮影とフィードバックを両方行わなければならず、実際のところあまり効率がよくありません。そこで『iPad撮影のフレキシビリティはそのままに、撮る見るを分け、さらに効率よく即時フィードバックを行いたい』という要望があがってきました。
そんな要望に応えるかたちで開発されたのが、VLCフィードバックシステムです。

VLCフィードバックシステムとは?

VLCフィードバックシステムは、JISSで開発したVLCツールというソフトを基軸に実装されています。このVLCツールは、もともと、VLCメディアプレイヤーという自動再生ソフト(無料)に新たな機能を加えたものになります。まずはここで、このフィードバックシステムの利用法をご紹介します。

このシステムで使用しているITツールは下記3点です。

・BitTorrent Sync※(ビットトレントシンク)というファイル同期ソフトがインストールされたiPad
・VLCツールがインストールされたパソコン
・ネットワーク環境(アクセスポイント)

※BitTorrent Sync:インターネットで配布されているファイル同期ソフトです。詳しくはこちらのリンク先をごらんください。

このシステムを利用して撮影された映像は、トレーニング場備え付けの大きなモニターで自動再生されます。撮影者はまずiPadで選手の試技を撮影します。撮影が終わったら上記にあるBitTorrent Syncを起動し、今撮影した動画の同期を行います。これはどこへ同期するか事前に設定しておけば、1度のタップで済んでしまう作業です。ここではVLCツールがインストールされたパソコンへ動画を送ります。アクセスポイントを経て送られてきた動画を、VLCツールが検知すると、そのパソコンに繋がれたモニターで自動再生が始まります。

senga

VLCフィードバックシステムの仕組み

このように、VLCフィードバックシステムにより、フレキシビリティに優れたiPadで撮影撮影したデバイスとは別のモニターで再生ということが可能となり、撮る見るがしっかりと分離された形になりました。さらに、VLCツールには、再生を自動で繰り返す自動繰り返し機能が追加されているので、モニターでは、次の動画が検知されるまで何度も同じ動画が繰り返し再生され続けます。

『自動繰り返し機能』の利便性

実はこの、自動繰り返し機能が、 VLCフィードバックシステムの大きなポイントの一つとなっています。
VLCツールのもとであるVLCメディアプレイヤーは、自動再生ソフトと言われている通り、動画ファイルを検知すると自動で再生を始めるソフトなのですが、1回の再生がおわるとそれで終了。再度再生するには手動での操作が必要となります。しかしVLCツールでは、次の動画を検知するまで、自動で繰り返し再生を行います。繰り返し再生されれば、もし、監督が再生中のフィードバック映像を見ながら選手にアドバイスや指導などを行った場合、選手は、指導と映像を照らし合わせながら、指摘ポイントなどをよりクリアに頭に叩き込むことができるでしょう。また、次の選手の撮影がすでに終了している場合でも、同期を待機することで今見ている映像が繰り返し再生されるので、撮影者であるコーチの裁量で再生回数をコントロールすることが可能となります。

VLCフィードバックシステムを利用したトレーニング風景

では実際に利用している風景を写真と共にご紹介します。
選手の試技をコーチがiPadで撮影します。

DSC04252

iPadで試技を撮影

試技が1回終わると、コーチはiPadにインストールされたBitTorrent Syncを立ち上げます。
今撮影した映像のデータがパソコンに同期されます。

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VLCツールがインストールされたノートパソコン。 再生用モニターとつながっています。

VLCツールは、新しい映像ファイルを検知すると、つながれたモニターでその映像の再生を始めます。
今試技を行った選手は、その映像を見て自ら動作確認を行います。

モニターで試技の動作確認をします

このVLCフィードバックシステムでは、途中動画を止めたり、スロー再生することも可能です。この機能は、より詳細に動作確認したいときや、巡回しているコーチに見てもらいたいときなど、非常に役立ちます。
さらに、同期した映像は本体にどんどんたまるので、練習終了後に再度見直すということも可能。前回ご紹介したスポレコは映像をためることができないので、この部分もVLCフィードバックシステムの大きなポイントといえるでしょう。

このように、非常に手軽に、即時フィードバックを可能にするVLCフィードバックシステム。
もちろん競技力の向上をサポートする目的で導入されたシステムですが、映像を利用することで具体的にどんな効果をあげているのでしょうか?実際に現場で活用しているコーチの方にじっくりとお話しを伺ってきました。後編にてその内容を詳しくご紹介いたします。

★後編は2016年1月8日公開予定です。お楽しみに!

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