ナレッジルーム

フィードバック映像の幅広い実用性

 

※こちらの記事は2編に分れた記事の後半部分になります。ぜひ前編からお読みください。前編はこちらから。

 

競技力向上をサポートする目的で取り入れられているフィードバックシステム。映像で即時に動作確認することがもたらす効果は、前編でもご説明した通りです。
しかし、実際に利用されている方にお話を伺うと、フィードバック映像は「動作確認」という小さな枠にとどまらず、役割の幅を広げているという実態を知ることができました。

今回お話ししてくださったのは、ウエイトリフティング男子ナショナルチームで指導を行っている城内コーチです。

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興味深いお話をいろいろと伺うことができました

まずはVLCフィードバックシステムの使用感について伺ったのですが、
「とても使いやすくて助かっています!」とのこと。
そして、ウエイトリフティングの競技特性をからめ、映像の活用について大変興味深いお話をしてくださいました

ウエイトリフティングの競技特性

階級制の個人競技であるウエイトリフティングの試合は、各階級ごとに何月何日の何時からというようにかなり詳細な日時が決まります。選手は試合の日時がわかると、「試合で100%の力を出して、自分が目標とする重量をあげる」ための練習メニューを組んでトレーニングを行っていきます。そこには、目標重量をあげるべき試合時間から逆算した「◯日前には◯キロ」「×日前には×キロ」といった細かい課題が組み込まれています。
また、ウエイトリフティングはメンタル面の強化が非常に重要となるスポーツ。自分に割り当てられた時間内に目標重量があげられるかどうか、まさに一瞬で勝敗が決まってしまう競技です。そんな試合に一人で挑む彼らに、大きなプレッシャーがのしかかってくることは、想像に難くありません。試合の日程が決まると、選手たちはそんな重圧のなかで練習メニューをこなしていくことになるのです。

思い込みを払拭させるために過去の映像を見返すことも

そんな重圧のなかにあるため、ちょっとした不調からスランプに陥る選手が出てきます。不調から課題遂行の歯車が狂い、焦りが出てきて視野を狭くしてしまうのです。そうなると、不調の原因を「フォームがおかしい」というように思い込んでしまい、その考えから抜け出せなくなってしまうこともあるといいます。本当はフォームだけの問題ではなかったとしても、もう他の問題点は目に入らなくなってしまうのです。このようなとき、フィードバック用に撮影していた映像から、好調なときの映像を見せ、現状のものと見比べてみるといいます。すると、選手自ら、違いがあると思い込んでいたフォームに、大して問題がないということに気づき、視野が開いて他の問題にも目を向けられるようになるのです。このように、映像は凝り固まった思い込みを払拭するためにも役立っているとのこと。

映像の使い方をしっかりコントロールすることも大切

しかし同時に、映像の影響力の大きさがわかっているからこそ、気をつけている部分もあるとのこと。例えば、実際に不調の原因がフォームにある場合、上記のように強い思い込みのある状態の中では、その問題のあるフォームの映像を見せるのは差し控えることがあるそうです。
城内コーチの経験によると、思い込みが強い状態のときに問題のあるフォームの映像を見ると、その姿がポッと脳にインプットされて離れられなくなってしまうことがあるのだとか。そのようなご自身の経験から、映像は使い方を間違ってはいけないと実感したといいます。

「映像は影響力が大きいので、コーチがしっかりと選手を見て、活用をコントロールしてあげなくてはならないと思います。」そうコーチは語ってくれました。

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試技を行う選手に激励を飛ばしています

大きなモニターで動作確認をする利便性

VLCフィードバックシステムについての利便性も語ってくださいました。”撮る”と”見る”を分離させた本システム。”見る”という部分において「大きなモニターで動作確認ができる」というのも、実は大きなポイントのひとつだとおっしゃいます。

ウエイトリフティングでは遠征先でもiPadを利用した即時フィードバックは行っています。しかしiPadでのフィードバックとなると「後でまとめてみます」と言って、トレーニング中は見ない選手も出てきます。選手にとってはiPadを手にして再生するという一瞬の手間でさえ、トレーニング中の集中力を削ぐ要因になるからだと考えられます。
NTCのトレーニング施設には、元々壁掛けの大きなモニターが備え付けてあったのですが、そのモニターでフィードバック映像を再生する場合、選手は、少し目線を動かすだけで動作確認ができます。先に挙げたような、遠征先でのフィードバックを後回しにする選手も、大きな壁掛けモニターで試技が再生されれば、ちらっと見るそうです。つまり大きなモニターでの再生であれば、集中力が削がれることなくフィードバックができるといえるのではないでしょうか。

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大きなモニターで試技が再生される

ジュニア育成からナショナルチームの指導まで

さらに、映像を見て選手自身が自分の弱点に気づいていくということも、非常に大切なポイントとのこと。
ナショナルチームともなると、選手はそれぞれに理論を持っています。そんな彼らに対しては、一緒に試技映像を見ながら「もっとこうしたほうがいいと思うけど、自分で見てどう?」といった”共に考える”コーチングがとても有効なのです。
また、コーチの立場から客観的に「タイミングが早いな」「肘が曲がってるな」など、改善するべきポイントが見えてきても、それを言葉だけで伝えるのはとても難しいといいます。しかし映像があれば、細かい改善ポイントも直感的に伝えることができるでしょう。

一方、ジュニアの選手たちが合宿などでNTCのトレーニング場に訪れた際、このフィードバックシステムを利用すると、大きなモニターでの試技再生に釘付けになる子供たちも少ないくないとのこと。恥ずかしそうにしながらも、自分の試技を見て「僕こんなフォームしてるんだ」、「思ったより軽く持ってるように見えるね」などと話し、モニターを自分の携帯で撮影する選手もいるのだそうです。
このように、映像でのフィードバックは、次世代を担うジュニア選手たちの、競技に対するモチベーションを上げることにも、多いに役立っているといえます。

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監督がフィードバック映像を見ながらアドバイスをしています

映像はコミュニケーションを補強するツール

以上、映像という切り口からトレーニング現場の声を聞いてきましたが、いかがでしたでしょうか。今回の取材から、映像が私たちの想像を超えて活用されているという実態を垣間見ることができたと思います。

しかし、まず何よりも大切なのは「コミュニケーションをとっていくこと」と城内コーチはおっしゃいます。メンタル面が非常に重要になってくるウエイトリフティングでは、監督やコーチから語られる経験論や精神論は欠かせないため、そのコミュニケーションを補強していくツールのひとつとして、映像が大いに活用されているのです。

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フィードバック映像を見ながら気づいた点を伝えます

一言で「映像による競技力向上のサポート」といっても、その形は様々だということが見えてきた今回の取材。ウエイトリフティングの現場から、映像が競技力向上に貢献するそのポテンシャルの高さを、改めて感じていただけたのではないでしょうか。

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フィードバック映像の幅広い実用性

 

※こちらの記事は2編に分れた記事の後半部分になります。ぜひ前編からお読みください。前編はこちらから。

 

競技力向上をサポートする目的で取り入れられているフィードバックシステム。映像で即時に動作確認することがもたらす効果は、前編でもご説明した通りです。
しかし、実際に利用されている方にお話を伺うと、フィードバック映像は「動作確認」という小さな枠にとどまらず、役割の幅を広げているという実態を知ることができました。

今回お話ししてくださったのは、ウエイトリフティング男子ナショナルチームで指導を行っている城内コーチです。

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興味深いお話をいろいろと伺うことができました

まずはVLCフィードバックシステムの使用感について伺ったのですが、
「とても使いやすくて助かっています!」とのこと。
そして、ウエイトリフティングの競技特性をからめ、映像の活用について大変興味深いお話をしてくださいました

ウエイトリフティングの競技特性

階級制の個人競技であるウエイトリフティングの試合は、各階級ごとに何月何日の何時からというようにかなり詳細な日時が決まります。選手は試合の日時がわかると、「試合で100%の力を出して、自分が目標とする重量をあげる」ための練習メニューを組んでトレーニングを行っていきます。そこには、目標重量をあげるべき試合時間から逆算した「◯日前には◯キロ」「×日前には×キロ」といった細かい課題が組み込まれています。
また、ウエイトリフティングはメンタル面の強化が非常に重要となるスポーツ。自分に割り当てられた時間内に目標重量があげられるかどうか、まさに一瞬で勝敗が決まってしまう競技です。そんな試合に一人で挑む彼らに、大きなプレッシャーがのしかかってくることは、想像に難くありません。試合の日程が決まると、選手たちはそんな重圧のなかで練習メニューをこなしていくことになるのです。

思い込みを払拭させるために過去の映像を見返すことも

そんな重圧のなかにあるため、ちょっとした不調からスランプに陥る選手が出てきます。不調から課題遂行の歯車が狂い、焦りが出てきて視野を狭くしてしまうのです。そうなると、不調の原因を「フォームがおかしい」というように思い込んでしまい、その考えから抜け出せなくなってしまうこともあるといいます。本当はフォームだけの問題ではなかったとしても、もう他の問題点は目に入らなくなってしまうのです。このようなとき、フィードバック用に撮影していた映像から、好調なときの映像を見せ、現状のものと見比べてみるといいます。すると、選手自ら、違いがあると思い込んでいたフォームに、大して問題がないということに気づき、視野が開いて他の問題にも目を向けられるようになるのです。このように、映像は凝り固まった思い込みを払拭するためにも役立っているとのこと。

映像の使い方をしっかりコントロールすることも大切

しかし同時に、映像の影響力の大きさがわかっているからこそ、気をつけている部分もあるとのこと。例えば、実際に不調の原因がフォームにある場合、上記のように強い思い込みのある状態の中では、その問題のあるフォームの映像を見せるのは差し控えることがあるそうです。
城内コーチの経験によると、思い込みが強い状態のときに問題のあるフォームの映像を見ると、その姿がポッと脳にインプットされて離れられなくなってしまうことがあるのだとか。そのようなご自身の経験から、映像は使い方を間違ってはいけないと実感したといいます。

「映像は影響力が大きいので、コーチがしっかりと選手を見て、活用をコントロールしてあげなくてはならないと思います。」そうコーチは語ってくれました。

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試技を行う選手に激励を飛ばしています

大きなモニターで動作確認をする利便性

VLCフィードバックシステムについての利便性も語ってくださいました。”撮る”と”見る”を分離させた本システム。”見る”という部分において「大きなモニターで動作確認ができる」というのも、実は大きなポイントのひとつだとおっしゃいます。

ウエイトリフティングでは遠征先でもiPadを利用した即時フィードバックは行っています。しかしiPadでのフィードバックとなると「後でまとめてみます」と言って、トレーニング中は見ない選手も出てきます。選手にとってはiPadを手にして再生するという一瞬の手間でさえ、トレーニング中の集中力を削ぐ要因になるからだと考えられます。
NTCのトレーニング施設には、元々壁掛けの大きなモニターが備え付けてあったのですが、そのモニターでフィードバック映像を再生する場合、選手は、少し目線を動かすだけで動作確認ができます。先に挙げたような、遠征先でのフィードバックを後回しにする選手も、大きな壁掛けモニターで試技が再生されれば、ちらっと見るそうです。つまり大きなモニターでの再生であれば、集中力が削がれることなくフィードバックができるといえるのではないでしょうか。

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大きなモニターで試技が再生される

ジュニア育成からナショナルチームの指導まで

さらに、映像を見て選手自身が自分の弱点に気づいていくということも、非常に大切なポイントとのこと。
ナショナルチームともなると、選手はそれぞれに理論を持っています。そんな彼らに対しては、一緒に試技映像を見ながら「もっとこうしたほうがいいと思うけど、自分で見てどう?」といった”共に考える”コーチングがとても有効なのです。
また、コーチの立場から客観的に「タイミングが早いな」「肘が曲がってるな」など、改善するべきポイントが見えてきても、それを言葉だけで伝えるのはとても難しいといいます。しかし映像があれば、細かい改善ポイントも直感的に伝えることができるでしょう。

一方、ジュニアの選手たちが合宿などでNTCのトレーニング場に訪れた際、このフィードバックシステムを利用すると、大きなモニターでの試技再生に釘付けになる子供たちも少ないくないとのこと。恥ずかしそうにしながらも、自分の試技を見て「僕こんなフォームしてるんだ」、「思ったより軽く持ってるように見えるね」などと話し、モニターを自分の携帯で撮影する選手もいるのだそうです。
このように、映像でのフィードバックは、次世代を担うジュニア選手たちの、競技に対するモチベーションを上げることにも、多いに役立っているといえます。

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監督がフィードバック映像を見ながらアドバイスをしています

映像はコミュニケーションを補強するツール

以上、映像という切り口からトレーニング現場の声を聞いてきましたが、いかがでしたでしょうか。今回の取材から、映像が私たちの想像を超えて活用されているという実態を垣間見ることができたと思います。

しかし、まず何よりも大切なのは「コミュニケーションをとっていくこと」と城内コーチはおっしゃいます。メンタル面が非常に重要になってくるウエイトリフティングでは、監督やコーチから語られる経験論や精神論は欠かせないため、そのコミュニケーションを補強していくツールのひとつとして、映像が大いに活用されているのです。

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フィードバック映像を見ながら気づいた点を伝えます

一言で「映像による競技力向上のサポート」といっても、その形は様々だということが見えてきた今回の取材。ウエイトリフティングの現場から、映像が競技力向上に貢献するそのポテンシャルの高さを、改めて感じていただけたのではないでしょうか。

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